
その診療、1時間あたりいくら残っていますか
こんにちは。デンタルMBAの萩原直樹です。
今回は、診療の強さをどう測るかというお話です。
医院の数字を見るとき、たいていは1件あたりの金額で考えます。この治療は100万円、こちらは4,000円。当然、大きいほうが大事な診療に見えます。
ところが、1件あたりで見ると順番を間違えます。
チェアと時間は、増やせません
医院が持っているもののうち、お金を出せば増やせるものと、増やせないものがあります。
材料は買えます。人も、時間はかかりますが採用できます。増やせないのは、チェアの数と、先生とスタッフの時間です。
ということは、医院の売上の上限はここで決まります。だから見るべきは「1件でいくら残るか」ではなく、「1時間でいくら残るか」です。
計算は簡単です。
(売上 − 原価)÷ かかった時間
1件で30万円残る診療が10時間かかるなら、1時間あたり3万円。1件で3万円残る診療が30分で終わるなら、1時間あたり6万円。後者が倍強いということになります。
金額の大きい診療ほど、時間を食っています
自費の大きな治療は、1件の金額が目立ちます。だから医院の柱だと思われがちです。
けれど、実際にはこういうものが乗っています。
- 相談とカウンセリングの時間
- 診断の資料を揃える時間
- 治療そのもののチェアタイム
- 調整のための通院が、何回も
- うまくいかなかったときのやり直し
これを全部足して割ると、思っていたほどではなかった、ということが起こります。悪い治療だという話ではありません。 順番が見えていないだけです。
短くて小さい診療が、柱だったりします
逆のことも起こります。
1件の金額は小さいけれど、短時間で終わり、件数がまとまって入る診療。計算すると、1時間あたりでは上位に来ていることがあります。
ここが見えると、打ち手が変わります。大きな治療を増やすために広告を出すのか、それとも短くて強い診療の件数を安定させるのか。どちらも正しいのですが、同時にはできません。 時間が限られているからです。
出すときの注意
ひとつだけ、気をつけていただきたいことがあります。
原価に、忘れられがちなものを入れてください。 材料費と技工料だけでは足りません。矯正ならリテーナー。スキャナーを使うなら、本体の価格を見込みの症例数で割った金額。やり直しが一定の割合で出るなら、その分も。
ここを入れるかどうかで、残る金額の見え方が変わります。入れずに出した数字は、現実より良く見えます。
一度、並べてみてください
診療別 利益シミュレーターを用意しました。診療名、1件の売上、原価、かかる時間、月の件数を入れると、1時間あたりいくら残っているかが出ます。登録は要りません。
おおよそで構いません。並び順が自分の想像と違っていたら、それが収穫です。
マーケティング論を、体系立てて学ぶ
こうした考え方を半日かけて扱うのが、デンタルMBAの「マーケティング論」です。2027年6月6日に横浜で開催します。院長先生だけでなく、主任やチーフ、事務長の方もご一緒に受講いただけます。
