
原価率は、医院全体ではなく診療ごとに出す
こんにちは。デンタルMBAの萩原直樹です。
決算書を見ると、材料費と技工料が1行ずつ並んでいます。売上で割れば、医院全体の原価率が出ます。
これはこれで必要な数字です。ただ、この数字だけでは、明日やることが決まりません。
全体の数字は、平均でしかありません
医院全体の原価率が20%だったとします。
その中身は、原価率が5%の診療と、50%の診療が混ざった結果です。平均の20%を見ても、どちらを増やすべきかは出てきません。前年と比べて上がった下がったを言えるだけで、何をすればいいかは言えない数字です。
しかも、診療の構成が変わると全体の原価率は勝手に動きます。矯正が増えた月は上がり、メンテナンスが多い月は下がる。それを見て「今月は原価が高い」と言っても、原因は原価ではなく構成です。
診療ごとに出すと、順番が変わります
やることは単純です。主な診療について、1件あたりの売上と原価を書き出す。それだけです。
書き出すときに、ここを忘れないでください。
- 材料費
- 技工料
- その治療だけに使う消耗品
- 機械を使うなら、本体の価格を見込みの症例数で割った金額
- 一定の割合で起こるやり直しの分
下の2つが抜けている医院が、ほとんどです。 機械は買ったときに払い終わっているので、原価だと思われません。やり直しは数えていないので、数字に出てきません。でも、どちらも確実にかかっています。
入れてみると、思っていた順番と違うことがあります。力を入れてきた診療が、実は手元にあまり残っていない。逆に、地味だと思っていたものが上位に来る。
原価率が高い診療をやめる、という話ではありません
誤解されやすいので書いておきます。
原価率が高いから悪い、ということはありません。患者さんにとって必要な治療なら、提供するべきです。
見るべきは、その診療を増やしたときに、医院に何が起きるかです。原価率40%の診療を倍にすると、売上は倍になりますが、手元に残る金額は倍になりません。そして、その治療に使う時間は確実に倍になります。
増やすこと自体が悪いのではなく、増やした先に何が待っているかを知らずに増やすのが危ないのです。
一度出せば、あとは使い回せます
診療ごとの原価は、材料の値段が変わらないかぎり、そう頻繁には動きません。一度出しておけば、来年も再来年も使えます。
診療別 利益シミュレーターに入れてみてください。原価率と、1件で残る金額、1時間あたりの粗利が同時に出ます。登録は要りません。
おおよそで構いません。 並び順が見えれば、それで十分です。
マーケティング論を、体系立てて学ぶ
こうした考え方を半日かけて扱うのが、デンタルMBAの「マーケティング論」です。2027年6月6日に横浜で開催します。院長先生だけでなく、主任やチーフ、事務長の方もご一緒に受講いただけます。
