
決まったのに、まだやっていない自費が溜まっていませんか
こんにちは。デンタルMBAの萩原直樹です。
今回は、自費のお話です。ただし「どうやって選んでいただくか」ではありません。選んでいただいたあとの話です。
1枚の表
その日、院長とパソコンの前に並んで座っていた。
「自費が伸びないんですよ」
何度もうかがってきた言葉だった。説明の仕方を変えよう、資料を作り直そう。これまでも、そういう話をしてきた。
ただ、その日は少し違うことをしてみた。同意をいただいたあと、まだ着手していない治療を、全部書き出してみたのだ。
受付の方に手伝っていただいて、1時間ほどかかった。
並んだ行を数えながら、院長の手が止まった。
「……これ、合計いくらになります?」
足してみた。
画面を見たまま、院長はしばらく何も言わなかった。やがて、ひとこと。
「断られてたんじゃ、なかったんですね」
そのとおりだった。患者さんは全員、「お願いします」とおっしゃっていた。金額にも納得されていた。
ただ、誰も、次の予約を取っていなかった。
※ 実際にうかがったお話をもとにした物語です。医院名・人物名は変えています。
自費が伸びない医院の、もう一つの型
自費が伸びない、というご相談をいただくと、たいていは説明の仕方の話になります。どう伝えれば選んでいただけるか。
もちろん大事です。しかし、こういう医院もあるのです。
選んでいただいているのに、こちらが着手できていない。
こちらのほうが、ずっともったいない。説明も、同意も、信頼も、すでにいただいているのですから。あとは枠を取るだけです。
なぜ、止まるのか
理由は、ほとんどの医院で同じです。
- 自費の枠が、特定の先生の予約に集中している
- その先生の枠は、保険の予約で先に埋まっていく
- 空きが出るのを待っているうちに、患者さんの気持ちが冷める
- 決まったあとの患者さんを、誰が追いかけるのかが決まっていない
4つ目が効いています。ここが決まっていない医院が、本当に多いのです。
患者さんのほうも、忘れます。悪気はありません。痛くないのですから。
「そういえば、やるって言ったきりだったな」
半年経ってそう思い出したとき、もう別の医院に通っていることもあります。
まずは、一覧を作ってください
やることは、そう難しくありません。
- 同意をいただいた自費治療を、患者さんごとに一覧にする
- 同意をいただいた日と、金額を入れる
- 3か月以上止まっているものに印をつける
- 印のついた方から順に、連絡する人と日を決める
この一覧を作るだけで、医院の空気が変わります。追いかけるべき相手が、目に見えるようになるからです。
そして、ほとんどの医院で、その合計額に驚かれます。
自費の枠を、先に取る
もう一つ。アポイントの取り方そのものを見直します。
保険の予約で埋まってから自費を入れようとすると、永遠に入りません。先に自費の枠を確保してから、残りに保険を入れる。 順番を逆にします。
先生がお一人でないなら、全員が自費の診療をする日を作る。これも効きます。特定の先生に集中している限り、その先生の体力が医院の上限になってしまいます。
伸びしろは、たいてい外ではなく中にあります
新患を増やす。広告を出す。もちろん必要なことです。
しかし、すでに「お願いします」とおっしゃってくださった方が、何人も待っているかもしれません。
外に出ていく前に、一度だけ数えてみてください。確かめておく価値のある数字だと思います。
