
人件費率は何パーセントが正しいのか
こんにちは。デンタルMBAの萩原直樹です。
よくいただく質問です。
「人件費率って、何パーセントくらいが適正なんですか」
この質問には、正直にお答えしています。正解の数字はありません。
なぜ「適正な人件費率」が決まらないのか
同じ人件費率でも、中身がまったく違うからです。
衛生士が多く、メンテナンスで売上を立てている医院。技工を外に出さず院内で抱えている医院。分院を出す前提で、いまの規模に対して多めに人を採っている医院。受付を2人体制にして、カウンセリングに時間をかけている医院。
これらは人件費率の数字だけ見れば「高い」になります。けれど、高いことが悪いとは限りません。 人に払ったぶんがちゃんと売上になって返ってきているなら、それは投資です。返ってきていないなら、同じ数字でも問題です。
よそと比べて高いか低いかを気にしても、何をすればいいかは出てきません。
決めるべきは「率」ではなく「順番」
では何を見るか。順番はこうです。
1. 来年、医院にいくら残したいか
2. そのためには、いくらの粗利が必要か
3. いまの売上から、材料費・技工料・家賃・リース・その他を引くと、人件費にいくら回せるか
4. その金額を、いまの人数で割るといくらか
4まで出して、はじめて「多いか少ないか」が言えます。 率から入ると、ここにたどり着きません。
そして、この順番で出した金額が、いまの人件費より少なかったとします。そのとき取れる手は3つしかありません。売上を増やすか、ほかの経費を減らすか、残す金額の目標を下げるか。どれを選ぶかが経営の判断で、率を眺めていても選べません。
人を減らす話ではありません
誤解されやすいので書いておきます。
人件費率が高いとわかったとき、最初に出てくるのが「人を減らす」という案です。これはたいていうまくいきません。減らした結果、一人あたりの負担が増え、いい人から辞めていきます。採用にまたお金がかかります。
見るべきは人数ではなく、一人あたりがどれだけ売上をつくれているかです。同じ人数でも、やることの決め方が変わると数字は動きます。誰が何を決めてよいかがあいまいな医院では、確認待ちの時間が積み上がっています。その時間は売上になりません。
人件費の話は、たいてい組織の話につながっています。
まず、自院の数字を並べてみてください
診療ごとに、1件の売上と原価、かかる時間を並べると、どの診療が利益の柱になっているかが見えます。そのうえで、人件費に回せる金額を計算する。この順番です。
診療別 利益シミュレーターを用意しました。登録も要りませんので、おおよその数字で結構です。入れてみてください。
正確でなくて構いません。順番さえ見えれば、次に何をするかは決められます。
マーケティング論を、体系立てて学ぶ
こうした考え方を半日かけて扱うのが、デンタルMBAの「マーケティング論」です。2027年6月6日に横浜で開催します。院長先生だけでなく、主任やチーフ、事務長の方もご一緒に受講いただけます。
