
黒字なのにお金が残らない、ひとつの理由
黒字。なのに、通帳が増えない。
決算は黒字。けれど手元のお金は増えていない。これは珍しいことではありません。利益と手元のお金は、別のものを数えているからです。
利益は、出ていったお金を全部引いていない
機械を300万円で買った年、利益の計算では、その年に300万円を引きません。何年かに分けて引きます。
けれどお金は、その年に出ています。だから利益が出ていても、手元は減ります。
逆もあります。何年か前に買った機械の分は、お金が出ていないのに利益から引かれます。利益は少なく見えるのに、手元は減っていません。
返す元金は、利益から引かれない
借り入れの返済のうち、利息は利益から引かれますが、元金は引かれません。
月に30万円返していて、そのうち元金が27万円なら、その27万円は利益の計算には出てきません。けれど確かに出ていきます。
ここが、黒字なのにお金が残らない最も大きな理由です。利益が年に300万円出ていて、元金の返済が年に324万円あれば、手元は減ります。
見るのは、ひとつの式
難しい計算は要りません。利益に、機械の分として引かれた額を足し戻し、そこから元金の返済を引く。これが1年で残るお金のおおよその形です。
この数字が毎年プラスであれば、医院は続きます。マイナスが続いているなら、借り換えか、売上か、支出のどれかを動かす必要があります。
税理士さんに「この式の数字を教えてください」と頼めば、すぐ出てきます。
残すなら、先に分けておく
残ったお金を貯めようとすると、残りません。
月の初めに、決めた額を別の口座へ移してしまう。手元にないお金は使えません。医院を回すのに必要な額は、人件費の2か月分を目安にします。
税金の分も同じです。利益が出た年の翌年に払うので、出た時点で分けておかないと、払うときに困ります。黒字の医院が苦しくなるのは、たいていこの時期です。
この記事のまとめ
- 利益と手元のお金は、別のものを数えている
- 機械の代金は、出た年と引かれる年がずれる
- 借り入れの元金は利益から引かれない。これが最大の理由
- 利益+機械の分−元金の返済。この式を毎年見る
- 残ったら貯めるのではなく、先に別の口座へ分けておく
