
腕のある先生を、マネジメントに引っぱっていませんか
こんにちは。デンタルMBAの萩原直樹です。
今回は、勤務医の先生の使い方についてです。
ある医院で、中堅の先生と面談をしました。技術があり、人柄もよく、スタッフからの信頼も厚い。医院としては、将来の分院長候補と考えていました。
ところが、ご本人からこう言われました。
「正直に言うと、いまは技術を伸ばしたいんです」
院長先生は驚かれていました。期待をかけていたつもりが、ご本人にとっては重荷になっていたのです。
「できる人」に、全部が集まる
腕のある先生は、たいてい人柄もよく、調整もできます。
ですから、トラブルが起きると呼ばれます。スタッフ同士が揉めると間に入ります。若い先生の指導役も任されます。気がつくと、診療以外の時間がどんどん増えていきます。
これは、本人の希望とは関係なく起きます。できるから任される。任されるから、また次も任される。
そして、ある日こう思います。
「自分は何をしに、この医院に来たんだろう」
技術で伸びたい人と、組織で伸びたい人がいます
ここは医院の側がはっきり分けて考えるべきところです。
技術で伸びたい先生は、症例数と難症例が報酬です。月に何本できたか、どこまで難しい症例を任せてもらえたか。ここが満たされれば、長く残ってくださいます。
組織で伸びたい先生は、人と仕組みを動かすことが報酬です。分院を任される、チームを持つ。こちらに喜びを感じる方もいます。
どちらが上ということはありません。 そして、本人に聞かないと分かりません。
年に一度は、本人に聞いてください
評価の面談とは別に、進みたい方向を聞く場を作ってください。
- この先3年で、何ができるようになっていたいか
- 症例を増やしたいか、人を見たいか
- いま、やりたくないのにやっていることはあるか
3つ目が大事です。ここを聞かないと、不満は表に出ません。黙って抱え、ある日「辞めます」になります。
マネジメントを一人に背負わせない
もう一つ。マネジメントを任せるなら、一人にしないでください。
人のことで動くのは、思っている以上に消耗します。相談できる相手が一人いるだけで、続き方がまるで違います。院長先生と二人でも構いません。「この件はどう思う」と言い合える相手がいるかどうか。
腕のある先生に組織を任せるのであれば、その分の診療時間を減らし、相談相手を付け、評価にもそれを反映させる。ここまでやって、初めて「任せた」と言えるのだと思います。
期待をかけることと、押しつけることは違います。 本人の口から聞くまで、分かりません。
組織設計論を、体系立てて学ぶ
こうした考え方を半日かけて扱うのが、デンタルMBAの「組織設計論」です。2027年1月31日に横浜で開催します。院長先生だけでなく、主任やチーフ、事務長の方もご一緒に受講いただけます。
