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「見て覚えて」では、人は育たない

見て覚えられるのは、手の動きだけです。

「先輩のやることを見て覚えてね」。よく聞く言葉ですが、これで育つ人は多くありません。見えるのは手の動きだけで、なぜそうするかは見えないからです。

見えるものと、見えないもの

先輩の動きを見れば、器具の渡し方や置き場所は覚えられます。

けれど、なぜその順番なのか、なぜこの患者さんにはこうするのか。判断の部分は、外から見ても分かりません。

だから見て覚えた人は、いつもと違うことが起きたときに止まります。手順は知っているが、理由を知らないからです。

教える順番を、紙に1枚

新しい人が入るたびに、誰かが思いついた順に教えている医院が多いです。

1週目に何を、2週目に何を。これを1枚にしておくだけで、教える人が変わっても中身が変わりません。

立派なものでなくてよい。いまいる人たちで30分話して作ったものが、いちばん使えます。

教える人を1人決める

全員で教えると、言うことが人によって違います。新しい人はどちらに合わせるか迷い、迷っているうちに「聞かないほうが楽だ」と思うようになります。

最初の3か月だけでよいので、この人に聞けばよいという相手を決めます。その人が分からないことは、その人が院長に聞きます。

教える人を決めると、教える人のほうが育ちます。人に説明すると、自分の手順の曖昧なところが見つかるからです。

「なぜ」を1つだけ添える

手順を教えるとき、理由を1つ添えます。「ここでこうするのは、◯◯だから」。

全部に理由をつける必要はありません。1日に1つで十分です。

理由を知っている人は、応用がききます。手順だけを覚えた人は、変化のたびに止まります。

この記事のまとめ

  • 見て覚えられるのは手の動きだけ。判断は見えない
  • 教える順番を1枚の紙にする。30分で作れる
  • 最初の3か月は、聞く相手を1人に決める
  • 教える人のほうが育つ
  • 手順には理由を1つ添える

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